【ゲーム】マイベストランキングが塗り替わった話

『Operencia / The Stolen Sunクリア(22/3/28)

 3DダンジョンRPG(非リアルタイム)が好きな私ですが、久々にマイベストランクの上位が変わる良作でした。

 個人的には僅差の2位か、同率1位

 

 1位は以前に挙げた『シャイニング・アンド・ザ・ダクネス』です。

・たまにある特殊エンカウントの緊張感

・シームレスな戦闘画面への遷移

・インターフェースの良さ

 などを挙げていますが、今回『Operencia』はこれに勝るとも劣らない、緊張感と探索、ストーリー、戦略性の面白さにハマりました。

 残念なのは誇張抜きで壊滅的な邦訳(と戦闘)。

 テキストが多い(会話も、増えていく記録やデータの説明も)ぶん、苦笑というか失笑ものの翻訳ばかりで、まあ意味が解ればいいか……という許容。

 でもポーション作成(ヒント文から素材の組み合わせを探るパズル)の訳文が間違ってるのがなあ……

(一例がこれ。正解の組み合わせはこれだけど、訳文通りに組んでもポーション作成できない)

 

 ともあれ、紹介していきます。

 おもむろに話が始まってびっくりします(その翻訳のおかしさにも)が、どうやらアッティラ王として、レカ、ゴンセルの2人とともにアンダーワールドへの門を封じる、というクエストか、と理解。

 全体的に景観が良く、またそれを360度自由に見回せるのに感嘆。

 小さな謎解き、戦闘(スキル)と距離の説明、どうにか意味のわかる会話でドラゴンを倒したところでムービー、そしてキャラメイク。

 つまり、ここまでがチュートリアル

 クラスとパラメータ、出身地、初期スキルなど選んで自キャラができたところで、また何とも言えない訳で話(本編)がスタート。

 どうやら『白い鹿に夢で導かれて』というのがこの世界ではある、ということで、自分はその『鹿の夢』に従って旅立ったということ。

 導かれて着いたのが湖に没した古城。

 入ったところで一人の男と出会います。

 ヨスカという彼はヴァカール王の依頼で「兵9人の妻たちを助ける」ためにここ(ブレック王の城)に来たと言い、自分は彼とともに行動することになります。

 ヴァカール王の兵はことごとく救出に失敗し、今やかの王のもとには一人の若い騎士しかいない、という噂もあるとか。

 この古城の仕掛けを解いて、変わり果てたブレック王とその兵と戦い、無事救出に成功して祝杯を上げる2人のところに、若い騎士が現れます。

 いわく「太陽を見つけてください」

 彼はメゼイ、ヴァカール王の騎士最後の一人――おお、古城でヨスカが話していたアレか。

 

 そう、最初のダンジョンは「この世界観(とシステム面)への本格導入」で、話の本筋はここからだったのです。

 アンダーワールドに奪われた太陽を取り戻す、という大目的(サブタイトル)が出たところで、メゼイが「自分は知らないが、知っていそうな人物がいる」と向かったのが大森林。

 ……「大森に向かいます」って言われると、京浜東北線で蒲田方面に行くみたいな気持ちになるから、翻訳ちゃんとしてほしい。

(と思ったらダンジョン名は『大森林』ってなっててちょっと安心)

 

 ダンジョンは、大森林の次にレカ女王(チュートリアルエストにいた彼女)の墓所、砦、要塞、世界樹、銅の森、そしてアンダーワールドへの門(チュートリアルで回った場所ふたたび)、アッティラ王の墓所、ガラスの宮殿とバリエーションに富み、仕掛けもいろいろあります。

 

 残念すぎる翻訳はともかく、ビジュアルの美しさ(前述の通りこれを好きなように見回せます)、重厚な曲、謎解きメインの探索が素晴らしい。

 戦闘については、『S&tD』の特殊エンカウントとシームレス感が至高な私ですが、『Operencia』はというと、


大キノコと接敵 ↓

不死者と接敵 ↓

 と、戦闘画面(の背景)は直前の視界と違ったりする通常戦闘がほとんどですが、

 特別な戦闘には専用の背景を設けていて熱いんですよ。

 これはレカ女王を護る4人の(骸骨)戦士とのバトル。彼らの後ろに見えているのが女王の玄室、という最高に熱い演出の戦いになっています(探索時の視界どおりのビジュアル、そして強い)。

 また「あの角に行ったら……」的ドキドキ感は(ほぼ)ありませんが、非リアルタイム戦闘とはいえ敵に発見されたら向こうから接近してくる「うわ見つかった――来た来た来たっ(汗)」とか「こっち見るなよ……」という、また違う緊張感があります(しかもスケルトンとか身軽なやつは走ってくるのが焦る)。

 

 敵の数は有限。倒したあとは「探索に専念」と感じるか、「エンカウントがなくて退屈」と感じるかは人それぞれでしょうけど。

 また、戦闘の敵は[前列/中列/後列]と分かれていますが、あまりその違いはない上にこちらには列の概念がなく、装甲薄いマジックユーザーも容赦なく殴られるのがシステム敵には残念。

 

 システム敵に面白いのは、


 能力値とスキルをいつでも、何度でも、好きなように再構築できます

 敵に合わせて用意するスキルを変えたりできるわけです。

 ちなみに私は中盤まで自分(PC)に、火/雷/氷の耐性100%になる代わりに沈黙状態(スキル使用不可)になる「古代の鎧」を装備して、スキルを取らずに能力値upに全振りしてました。装備変えてからスキル再構成。

 

 ストーリーが非常に面白く、また伏線も良く、チュートリアルで自分(プレイヤー)が封じた「門」の面に、今度は封印を解くために行くとか、熱い展開もとてもグッときます。

 キャラ同士の会話も、ヨスカが記していく記録も多く、読み応えのあるテキストも楽しめ――るには壊滅的な邦訳が引っかかるわけですが(苦笑

 

 上手く落とし込んだメタ台詞もあったりして笑いを誘います。

 アッティラの剣は持っている(インベントリにある)だけで効果があるけど……という、王可愛いかよw な言

 

 キャラもみんな個性的。

 前述のヨスカ、メゼイの他にも道中増えていき、世界樹を登りきったところで自分+6人+商人、この8人でアンダーワールドまで赴くことになります。

 こまごま会話があったりもして、それも面白い。

 休息(焚火)画面でじょじょに仲間が増えていくのがいい演出。

 

 ケラ姐さん。伝説的魔法建設集団こと「ストーンメイソン」のリーダーで、砦のボスであるアンナは彼女の妻(アンナさんは最初のダンジョン「アンナ湖」の名の由来)。戦士なのに回復も召喚も使う。

 

 個人的お気に入り、シシラ(シーラ?)さん。ヒーラー。

 もうなんかいろいろ素敵。

 

 

 翻訳と戦闘(ほとんど意味のない列とか、命中率とか、挑発とか)に「もうちょっと」なところはあるものの、ビジュアル、音楽、キャラ、ストーリーが良く、じっくり楽しんで(謎解きとボス戦の)達成感もある、良質な作品でした。

 バタ臭いキャラ造形と「日本語でおk」な邦訳に抵抗がないなら、本当にオススメしたい1本です。

 

 

 

[EoF]